レタリング技能検定 資格

【レタリング技能検定4級】問題別コツ解説【合格者直伝】

こんにちは、餅屋です!

昨年レタリング技能検定4級を受検して無事合格、全受検者872中27人の優秀賞も頂きました。

【レタ検】レタリング検定4級合格と優秀賞受賞

3級の受検勉強を始める前に、4級受検の勉強法・解き方をまとめていこうと思います。

レタリング技能検定は、個人受検者が少ないせいかあまり情報が出回っていません。

自分の情報が役立てば幸いです。

※この記事の情報は2021年時点での情報です。年度によって変更があるかもしれないので、ご注意ください。



レタリング技能検定4級の概要

試験時間:130分 (知識問題30分+実技問題100分)

本番では、知識問題と実技問題の用紙が同時に渡されています。

知識問題は30分で問題用紙が回収されますが、知識問題時間内でも早く解き終われば実技問題にとりかかることができます。

つまり知識問題を10分で時終われば、実技に20分+100分=120分使えることになります。

ただ、知識問題用紙回収前は書体サンプル集の参照はできないので注意しましょう(4級はあまり関係ないですが)。

あとは知識問題用紙回収後は、実技問題時間中でもトイレは自由に行けました。

持込可能な道具等:受験要項に書いてある用具・国際文化カレッジ発行の書体サンプル集

持ち込み可能な道具に関しては、試験の願書についている受験要項に記載があります。

特殊な用具を持ち込む人は要確認ですが、常識の範囲内でほぼ自由と言っていいでしょうです。

参考書は国際文化カレッジの書体サンプル集のみ持込可ですが、4級だと本番で使う機会は無いと思います。

問題用紙の大きさ等

本番での問題用紙はB4(257mm×364mm)の厚手の上質紙でした。

練習の過去問では、得厚口のA4の紙にお手本+レタリング部分だけ印刷して使用していたので、紙質だけでいうなら結構本番に近かったように思います。

問題用紙の構成

問題用紙は4枚渡され、

1枚目:知識問題

  • 1. 字体の理解(誤字探し10問)
  • 2. 書体の理解(明朝体・ゴシック体とその他の書体か区別する問題10個)
  • 3. 基礎知識および用具、用材、用法の理解(知識の穴埋め2択問題)

2枚目~4枚目:実技問題

  • 4. フリーハンドによる字体視写(枠に骨格を書く骨格を書く問題3つ)
  • 5. 和文基本書体の拡大視写(1つの言葉で、空いている2文字をレタリング。明朝体とゴシック体1つずつ)
  • 6. 欧文基本書体の拡大視写(線上にかかれている言葉で一文字だけ抜けているのでレタリング。直線だけのアルファベット1文字)

となっており、1枚目だけ知識問題時間終了時に回収されます。

具体的には過去問を見てみればだいたいわかると思います。

昔の過去問だと若干問題形式が変わっていたりするので、最初は直近の過去問で確認することをオススメします。

それでは、それぞれの問題のやり方を詳しく解説していきます。

問題1~3 知識問題のコツ

知識問題は問題用紙回収まで30分間使えますが、先述の通り早く終わらせれば終わらせるほど実技問題の時間が増えます。

というわけで、全部で5~10分くらいで解き終わりたいところです。

問題1 字体の理解

10個ほどの四字熟語で、それぞれ1つずつ誤字があるの選びます。

選ぶだけで正す必要はないので、とりあえず違和感がある文字を選択していけば大半は正解できます。

1~2つ微妙なものもありますが、そういうときは問題の四字熟語をあまり見ず、余白に自分で書いてみて1文字ずつ見比べると良いと思います。

問題2 書体の理解

様々な書体で書かれた10個の言葉を、『明朝体・ゴシック体』or『その他書体』かを区別する問題です。

大体下記のようにすれば区別できます。

明朝体→うろこがあれば基本明朝体。
ゴシック体→強弱が無い。左右にちょっとある程度は許す。

その上で、

・宋朝体は紛らわしいけど明朝ではないので『その他』。
・細明朝はすこし分かりづらいのでどんな書体か覚えておく。
・細ゴシック体もすこし分かりづらいのでどんな書体か覚えておく。

という3点をおさえ、過去問を解いておくと間違えないと思います。

問題3  基礎知識及び用具、用材、用法の理解

全問、書体サンプル集の巻末に載っている『知識問題関連用語集』から出題されます。

しかもご丁寧に、どの級で出題される用語なのかも記載されているので、4級の範囲だけ覚えておけばOKです。

書体サンプル集の4級用語を一通り覚える → 過去問で解けない部分を再チェックする、というのを5~10回分くらいやりました。

2択なのでそこまで難しくないと思います。

問題4~6 実技問題のコツ

問題4 フリーハンドによる字体視写

いよいよ実技です。

最初は骨格問題で、枠線の中にお手本通りの文字骨格を書いていきます。

A,B,Cの3つの文があり、文字数はA<B<C。

お手本がすぐ上に印刷されているので拡大視写ですし、難易度も高くありません。

ただ文字数はかなり多いです。

最初の問題なので残り時間も気力も十分にあると思いますが、綺麗にやりすぎるとほんっっとうに時間が足りなくなります!!

フリーハンドといっても定規の使用は可能ですが、定規できちんとやっている暇は無いと思います。

他の問題をのこと考えると、A・B・C合計で45分くらいで終えたいところ。

詳しくは後述しますが、私は実技問題開始直後に一番短いA問題だけやって、BとCは一番最後に残していました。

あくまでフリーハンドによる字体視写ということで、残り時間の調整がききやすいからです。

作業の流れは、お手本の最初と最初の文字にバッテンの分割線を引く→お手本と文字枠の枠線1つ1つにフリーハンドで分割線を引いていく(米の字)→

問題5 和文基本書体の拡大視写

出題されるのは、明朝体1文字とゴシック体1文字の計2文字。

実技の中で、一番丁寧に作業したい問題です。

年度にもよりますが、画数が多い文字が普通に出題されるので、バランスのとり方が狂うと迷宮入りしてしまいます。

とはいえかけられる時間も決まっています。

目安は1文字20分、2文字で合計40分。

作業の流れは、お手本と文字枠の枠線を分割→お手本の上からだいたいの文字の骨格を書く→その骨格を文字枠の方にも書く→お手本をよく見ながら肉付けしていく→墨入れ→消しゴムがけ

これを2文字両方やるという感じ。

肉付けに関しては、なんとなくでやると太さがいいかげんになってしまうので、逐一ディバイダーで確認していました。特にゴシック体。

問題6 欧文基本書体の拡大視写

アルファベット1文字の拡大視写です。

実技の中で一番ラクな問題。

よく出る文字は『A』『T』『Y』など、すべて直線で構成される大文字1文字です。

ディバイダーと定規でを使用してとても機械的にできる作業なので、15分以内に終えたいです。

作業の流れは、下書き線の縦線を2倍に写す→縦線の余白や文字幅にしたがって、文字の頂点になる点を写す→一通り確認した後頂点を結び下書き完了→定規で綺麗に墨入れ→ベタ塗り→乾いたら消しゴムかけ

という感じ。

実技問題のやる順番と時間配分のコツ

実技問題の時間配分

さて、知識問題が終わったらいよいよ実技問題です。

実技問題はとにかく時間との勝負です。

何度も書きますが、知識問題は解き終わり次第実技問題を着手しても良いので、実際の実技問題時間は100分+10~20分です

が、

普段の練習で過去問を解くときは、実技だけで100分以内に解き終われるようにすることをオススメします。

プラスアルファの時間を考慮して練習すると、本番の緊張やハプニングに対応できなくなってしまうからです。

急に「今年度から知識問題が早く終わっても実技問題書いちゃダメです!」なんて言われたら怖いですし

100分の時間配分の目安は、

問題4 骨格問題3つ (10分+15分+20分)

問題5 漢字の拡大視写2文字 (明朝体20分+ゴシック体20分)

問題6 アルファベットの拡大視写1文字 (15分)

 

この中で一番時間がかかり、かつ丁寧に作業したいのは「第5問漢字拡大視写」。

本番で知識問題分の時間の余裕がありそうなら、第5問の「明朝体20分+ゴシック体20分」を「明朝体25分+ゴシック体25分」とかにして調整します。

書体によって画数や難易度に差がある場合は、「明朝体30分+ゴシック体20分」などにしても良いです。

 

実技問題をやる順番

これは正直好みがあると思うのですが、私の場合は過去問も本番も下記の順番でやっていました。

問題4 短いA骨格問題を

問題6 アルファベットの拡大視写1文字

問題5 漢字の拡大視写2文字

問題4 残りの骨格問題B・C

 

最初の骨格問題2問をあえて最後に残すのは、難易度が低いのに文字数が多いという性質上、時間も体力も余っているうちにやると、つい綺麗にやりすぎて圧倒的に時間が足りなくなるからです。

しかも問題4の骨格問題はあくまでフリーハンド課題

綺麗に書けることに越したことはないですが、厳密な拡大視写が求められる第5問・第6問とは違い、正直多少ガタついても「フリーハンド課題ですから」という言い訳が成り立つと思っています。

なので、一番最初にAだけやっておくことで肩慣らしに使い、一番最後に余った時間分の丁寧さでBとCに取り組むのがオススメです。

本当に最悪の場合、枠の中に一発で丁寧に書くだけでもアリだと思います。

それで合格できるかはわかりませんが、空白提出よりは遥かにマシ。

 

問題4のAの後に問題6のアルファベットをやるのは、とても機械的にできる作業で、とにかく実技の中で難易度が低いからです。

序盤で頭が冴えていて機械的作業に向いている+綺麗にレタリングできるからしやすいので勇気と自信がもらえます。

さらにこれを終わらせるだけで全体の問題のかさも減りますし、といいことずくし。

 

さて、アルファベットが終わったら鬼門の問題5。

画数の比較的多い漢字2文字のレタリング。

言わずもがな一番時間も気力もヒヤヒヤします。

第4問のBとCが残っていることを念頭におきつつ、1文字20分で丁寧に仕上げます。

日々の練習の成果を出すしかありません。

 

ラストは、第4問のBとC。文字数は多いので、余った時間と相談しながら書ききりましょう。

すべて終わったら、消しゴムのかけ忘れや塗り忘れを確認・修正する時間にあてます。

終わりに

以上、レタリング技能検定4級のコツを解説してみました。

このやり方で合格・優秀賞をもらえたので、方向性としては間違っていないと思います。

ただかなり自己流の部分もあるので、みなさんもいろいろ工夫しながら取り組んでみてください。



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