こんにちは、餅屋です。
私は無認可専門学校のデザイン学科出身です。
ここでいう無認可専門学校とは、専門学校の認可が降りていない学校のこと。
無認可専門学校を卒業しても学歴は
高卒です。
でもどうしてもある学校に行きたくて、親を説得して入学しました。
入学時の私は24歳。高校卒業後はずっとフリーターやニートをしていて崖っぷち。
そんな私が一縷の望みをかけて入学したのがその学校でした。
今やIT企業で、美大卒やら専門卒やらに囲まれ、
デザイナーとして5年目の会社員デザイナーとしてばりばり働いています。
そんな学歴としてはダメダメな餅屋が、デザイナーと学歴について書きたいと思います。
目次
デザイナーの就職に学歴って関係あるの?
結論:そこまで関係ない
電通とか博報堂など、大きな企業に新卒デザイナーとして入るには美大・芸大卒等の学歴が必須です。
そういった華々しい企業は除くとして、普通にデザイナーを目指す上で学歴がネックになることはそこまでありません。
スクールの同級生(つまりその人達も高卒)で、超有名デザイン事務所に就職した人もいたし、精鋭の広告代理店に就職した人もいました。
そこは結局、ポートフォリオと人間性重視。
美大・芸大卒のほうが能力を分かってもらいやすく、有利にはたらくとは思いますが、最重要というわけでもありません。
ただし、高卒で一切のデザイン系の学校に行っていないとなると、就職の観点からは厳しく見られます。
そこはデザイナーとしてというよりも、社会人として働けるのか?という目があるきがします。
そういう人は、夜間でもいいからどこかのスクールに行くのをおすすめします。
例えば、
「俺、どうしてもデザイナーになりたくて、バイトしながら夜間でデザイン学んでました」
といって、かなり良いポートフォリオを渡されたら、「やる気あるようだし、こいつ雇ってみようかな?」と思うのが人情です。
デザイナーの能力に学歴って関係あるの?
結論:基礎力は欠けてしまう
藝大美大受験では、色彩やデッサンについて徹底的にやります。
専門学校でもある程度は教えてもらえそうですが、
専門学校では基礎力に加え、作品作り、ポートフォリオ作成、就職活動などなど、
いろいろやることが多く、基礎力にはあまり時間が割けません。
私の行った学校では、知識を軽視して全く取り上げませんでした。
なのでセンスのいい子はセンスだけで戦えますが、
センスのない子は延々と良いデザインができない、既成のものの猿真似で終わる……という感じでした。
同級生で超有名事務所に就職した子も、先輩デザイナーに「色のパターン出しておいて」
と言われて出したら総ダメ出しと、ものすごく苦労していました。
自分で情報収集して学ぶことさえできれば基礎力は補えますが、そこまでやれる人は稀です。
ただし実務上のスキルというのは、
5年も働けばある程度身につきます。
基礎力というのは、美大や芸大に行っていなくてもどこかで必ず学ばなければいけません。
美大芸大卒の人は、スタート地点から基礎力が身についているという点で大きくアドバンテージがありますが、
長期的に見れば基礎力だけでなく個性や人間性も相まって、実務上は大きな差はなくなってきます。
確かに美大芸大卒のデザイナーには、技術面で「とてもじゃないけどかなわない」と思わせられるときはあります。
でもそれは一つの個性なんですよね。
色彩感覚ではこの人には叶わない、
絵は微妙だけどセンスではこの人にかなわない、
デザイナーとしては正直微妙だけどプロジェクトをまとめる能力はこの人にはかなわない…などなど。
実際の仕事ではデザインのクオリティだけで成り立っているのではないのです。
デザイナーのに学歴コンプレックスってあるの?
結論:めちゃくちゃあります
私は無認可専門学校卒ですが、就職してもしばらくは学歴コンプレックスが拭えませんでした。
今ではプログラミング等得意分野を開拓して、学歴はあまり気にならなくなりましたが、
仕事でうまくいかなくなると学歴コンプレックスがぶり返すことがあります。
専門卒のデザイナーなどと話すときも、「後輩が美大卒でね……」みたいな会話を良くします。
それくらい、美大卒や藝大卒は特別視してます。
まとめ
結論:行けるなら行っておけ
芸大・美大に行けるなら行くべきだし、
芸大・美大は無理でも専門学校に行けるなら行くべきだし、
専門学校は無理でも夜間スクールとかに行けるなら行くべきです。
そして、これらの学校に行けなくても、デザイナーの道は閉ざされていません(大変にはなるけど)。
デザイン学校入学当初、先生に「この中からデザイナーになれる人は1割です」と言われて、ビビった覚えがあります。
それは、「なりたくてもなれない人が9割いるんだ」と勘違いしていたからです。
私の周りでデザイナーになれなかったのは、「自分でやめた人」だけです。
結果的に、同級生の9割はデザイナーにならなかったのですが、なりたくてなれなかった人はいませんでした。
「あ、思ってた世界と違うや」そう思って別の世界に行っただけです。
デザイン能力が低かったり、人間性に多少難のある人でも、「デザイナーなりたい」という熱意がある人はみんなデザイナーになりました。
最終的には、思いと行動次第です。